現場教育の考え方

私たちがなぜ動画を活用した現場教育を考えるようになったのか、そのきっかけを紹介します。

情報化時代への突入と動画の魅力

1990年時代、インターネットが普及し始めた頃、私たちはweb制作事業を開始しました。
これから世の中が変わる、情報化社会が来る、いったいどんな世の中になるのだろう?
という期待で胸を膨らませていたことを思い出します。
テキストや絵を駆使したweb制作の時代から、今では動画を使ったプロモーションやマーケティングなど、技術や表現手法は限りなく変化を遂げています。
リオのコンテンツ開発部門は、数々の動画制作を経て、動画の持つインパクトや圧倒的な説得力を実感してきました。また短い時間で多くの情報を伝えることができる動画に、ますます魅力を感じるようになりました。

動画の共有サービスの開発

2005年にyoutubeがリリースされた頃、動画をインターネットで公開することはまだまだハードルが高いものでした。
当時プログラム開発部門では、「誰もが簡単に動画を共有できるような仕組みを作る」という課題に取り組んでいました。そして、自分で撮影した動画を投稿してインターネットで配信したり、その動画を管理するための仕組み「動画CMS(MetaMovics)」 を完成させたのです。

地域のお店情報や仕事紹介、またスタッフ教育などを動画で配信するサービスとしてリリースしました。
手際よく料理をするプロの技、ジュ~っとおいしそうな音をたてて出てくる料理を使ったお店の紹介動画は、訴求力抜群でした。


作業を覚えるのに特化した動画の追求

動画の魅力に取り付かれた私達ですが、動画を何百本と撮るにつれて、「情報を伝える際、動画だったら何でもよいわけではない。」ということに気がつきました。
動画は情報量が多いだけに、作り方次第で伝えたいことが間違って伝わってしまいます。
また動画はずっと見ていないといけないので、絶対時間を取られます。 長い動画は見ているだけでも疲れてしまいます。 更にその中に含まれている情報が一目でわかりません。
ひととおり見ないとどんな内容が含まれているかが全くわからないというデメリットもあり、動画でない方が良いこともたくさんあるのです。

ちょうどその頃「作業手順がわかりにくいから動画にしたい。」というご要望をいただくようになりました。私たちは作業手順の動画制作に焦点をあてて、よりわかりやすく、より正しく伝えようと努力していました。

映画やコマーシャルのように、見て印象に残るものとは全く違い、作業手順は、誰が見ても同じように正しく動作が伝わるものでなければなりません。 人によって捉え方が違ってしまったら、直接業務に支障が出てしまうからです。

では、どんな作り方をしたら、正しく作業手順を伝えることができるか?
どういう作り方をしたら、作業内容を覚えることができるのか?

私たちは人の記憶のメカニズムについて調べたり、実証実験を行ったりしながら、「短尺動画で一旦短期記憶させ、体系的に理解させる」という結論を出しました。
人は一度にたくさんのことは覚えられないし、すぐに忘れてしまいます。 しかし、何度も繰り返していくうちに、長期記憶となって、頭にインプットされることも学んだのです。

記憶のメカニズム

こうした試行錯誤を繰り返しながら、記憶のメカニズムに基づいた動画作りの一つのノウハウを得ました。

社会問題への取り組み

この作業手順動画(動画マニュアル)を制作するようになってから、「企業が抱えた人材教育」という大きな問題に直面しました。
終身雇用の崩壊、転職が当たり前になった現在では、膨大な費用をかけて人を育てても、企業としては投資に見合ったリターンを得ることが難しくなっています。教育自体に長い目で見た投資が出来なくなってきました。

特に中小企業では人も少なく、大企業に比べて教育にかける時間やコストなどの余裕がありません。
しかし企業は競争の中で、製品やサービスはより高いものを提供し続けていかなければなりません。
ですから、社員に対しても、高い製品知識・品質・技術やサービスなどを求めなければならないのです。

また、入職者である若者たちの意識や行動が、以前とは大きくも変わってきたことにお気づきでしょうか?インターネット社会で育った若者は、たくさんの情報を入手することに慣れています。
例えば、飲食店に行く場合、事前にメニューや交通手段を調べ、しかもクーポンまで入手しておくといった、“自主的に調べて効率的で無駄のない動き方”をします。知識を入手してから体を動かすのです。「よくわからないから、近くの店にまずは行ってみようか」というような情報のない時代の行動とは明らかに違うことがうかがえると思います。こういった傾向は職場の教育のあり方についても違いが出てきています。

「俺の背中をみて学べ、まずは訓練して覚えろという教育の考え方は、効率が悪くて乱暴」という従来のOJTのやり方に対して、若者たちは素直に受け入れられなくなってきました。 「知っていることは最初から教えて欲しい。リスクは先に回避して成果を出したい」という多くの意見を耳にします。 「経験しながら覚えればよい」「経験する前に教えて欲しい」といった指導側と学ぶ側の考え方にギャップが起きているのに、今までの教育方法を踏襲していては、なかなか教育がうまくいいかないことがお分かりになりますでしょうか。
今では現在の若者の行動パターンに歩み寄る教育プログラムが求められています。

また、指導側の状態は、新人育成などは現場の直属の上司や先輩などに一任している企業が一般的です。
但しそういった人達は、現場の責任や自分の仕事を抱えたうえに教育まで任され、忙しさに紛れて指導する時間が取れません。
本人達の自発的な学習に任せっきりで、指導できていないというのが実状です。
ベテランプレイヤーが優秀な指導者とは限らないのです。

更に団塊世代の多くのべテランが退職を迎え、企業の財産である能力や技能が大量に流出しています。企業を存続させるための人材育成は、「いかに短い時間で、能力を高めるか」という課題にも早急に取り組んでいかなければなりません。

こういった様々な問題を目のあたりにして、私たちの開発した動画を使って企業の現場教育のお手伝いができないだろうかと考えました。
こうして作られたのが、現場スタッフを教育するための動画教育プログラム、「STEP MASTER®(ステップマスター」です。(Staff Training and Education Program)

現場教育にイノベーションを起こす!

ステップマスターは、一つ一つの企業の現場でスタッフの指導における問題点を聞きだして、「誰に、どんな作業を、いつまでに、どうさせたいのか」の目標を定め、その教育内容に合わせた動画や評価教材を開発し、スタッフの早期育成をはかるものです。

仕事は、体を使って実際に行動できるようにならなければなりません。
早く作業ができるようになってもらうためには、「作業に対する理解力を高める」ことと、どこまでできるようになったらよいか、「行動目標を明確にする」ことが大切です。 そして、具体的に何処まで理解できたのか、何処まで行動できるようになったのかをチェックして、数値にすることが重要です。
何人教育して、何日で何人が100%できるようになったのか?
何人が作業時間を何秒短縮できるようになったのか。できない原因は何か?

ステップマスターを導入することで、様々な問題点が具体的に見えてくるため、教育だけでなく、企業の改善活動にも大きく役立っています。

これからの現場教育はどうあるべきか、人材を育成していく立場の方は多くの悩みを抱えていることと思います。 私たちはこれから社会で起こる予想外の事態を正しく捉え、新たな発想をもって対応していかなければ、企業の財産でもある人材育成のチャンスを逃してしまいます。 
私たちは「現場教育にイノベーションを起こす!をキーワードに、“企業が持続可能なための人材育成”を支援していきたいと考えます」
私たちは、動画とITを活用した現場教育「ステップマスター」で、社会へ貢献していくことを目指します。

イベント・セミナー開催の様子

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2015中小企業新ものづくり 新サービス展セミナー

(ポートメッセなごや)
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2015中小企業新ものづくり 新サービス展

(ポートメッセなごや)
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2013動画マニュアルセミナー

(リオセミナールーム)
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2013メッセナゴヤ

(ポートメッセなごや)
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2012動画マニュアルビギナーズセミナー

(NDB会議室)
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2012メッセナゴヤ

(ポートメッセなごや)
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2012動画マニュアルセミナー

(ウインクあいち)
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2011メッセナゴヤセミナー

(ポートメッセなごや)
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2011メッセナゴヤ

(ポートメッセなごや)